誤嚥性肺炎について

掲載日:2020年6月20日/再編集:2024年2月20日

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎をご存知ですか?肺炎と聞くと、歯科ではあまり関係ないように思えますが、お口が健康でよく噛んでしっかり飲み込むことができるということが、誤嚥性肺炎を予防するためにとても重要です。

特に、災害時にお口の衛生状態が悪くなることで、誤嚥性肺炎のリスクが高まってしまいます。

そこで、今回は誤嚥性肺炎とは何か、お口とどのような関係があるのか、予防方法などをご紹介します。

 

誤嚥性肺炎発症のメカニズム

誤嚥性肺炎のメカニズム

誤嚥性肺炎は、肺炎を引き起こす原因となる細菌が⼝腔内で発⽣し、誤嚥した際に細菌が肺に⼊って炎症を起こします。⾼齢者や寝たきりの⽅の⼝腔内が清潔に保たれていない場合に、発症しやすい傾向にあります。また、免疫機能の低下や栄養状態が不良であることも発症に関与しています。

 

誤嚥性肺炎の予防⽅法

口腔内を清潔に保つ

お口の検診

誤嚥性肺炎の原因となる細菌を減らすためには、歯磨きをはじめとしたお⼝のクリーニングが有効です。⻭がない方でもお⼝には汚れがありますので、湿らせたガーゼや粘膜用の柔らかい歯ブラシでケアをして、お⼝を清潔にしましょう。入れ歯のお手入れも忘れずに行いましょう。

自分で歯しっかり歯磨きをしていると思っていても、磨き残しやお口のトラブルが隠れていることも。かかりつけの歯科医院に通う習慣をつけ、検診やプロによるクリーニングを受けて、清潔で健康なお口を維持しましょう。

 

食事の時の工夫

食事の姿勢

足の裏が床につく高さの椅子で、姿勢を正して食べましょう。姿勢が悪いと、飲み込みにくくなり、誤嚥する危険性があります。特に高齢の方は、頭が後ろに倒れた姿勢にならないように、椅子でもベッドでも少し前かがみ気味で食事をすることを意識しましょう。姿勢を保つのが難しい場合は、クッションなどを挟んで、飲み込みやすい姿勢に調整しましょう。

 

一口の量を少なく、よく噛んでゆっくり食べる

食べ物を口に詰め込まないように、少量ずつ口に運びましょう。急いで⾷べると、噛む回数が減り、のどに詰まりやすくなります。よく噛む、しっかり飲み込むなどひとつひとつの動作を意識してゆっくり⾷べましょう。

 

むせやすい方は食べ物の性状を変える

固形物だけでなく⽔でもむせる場合があります。固形物は柔らかくしたり、飲み物やスープなどはとろみをつけると飲み込みやすくなります。

噛んだり⾷感を感じたりすることで、おいしさや⾷事の楽しみを感じられます。飲み込みにくいからと⾔って、流動⾷にするのではなく、状況によって無理のない程度に、食べる楽しみを感じることができる工夫をしましょう。

 

お口のトレーニングをする

お口のトレーニング

年齢を重ねると、飲み込みづらい、噛みにくいなど、気づかないうちにお口周りの筋力が低下し、機能が衰えてしまいます。頬や⾆、お⼝周りを動かす簡単な体操をすることによって、お口の機能の維持・回復に繋がります。また、唾液線のマッサージなどしっかり唾液の分泌を促すことも効果的です。

下記に様々な体操が紹介されていますので、参考にしてみてください。

かみかみゴクゴク体操 https://www.lion-dent-health.or.jp/kamikami-gokugoku-taiso/

 

まとめ

今回は誤嚥性肺炎についてご紹介しました。誤嚥性肺炎の予防は、お口の機能を健康に保つことがポイントです。そのためには、歯科医院での検診やクリーニングと、ご自身で行う歯磨きなどのケアがとても大切です。

当院では、歯科相談やお口の状態に合わせた特別な予防処置なども行っておりますので、お気軽にご相談下さい。

 

参考

⽇⻭8020テレビ https://www.jda.or.jp/tv/10.html